布と素材 -material-
日本の布の衣では、
すべてのデザインが
着物に使われている
巾の狭い反物から仕立てられています。
巾の広い生地から仕立てる
洋裁の衣服からすると、
歩留まりが良いとは言えない
巾40cm程の小巾の反物も
布巾を生かし、
直線裁ちで仕立てる着物では
布の耳を生かして強度を持たせ、
布を無駄なく使うことができるため
合理的な布巾です。
また、こうした仕立てにより
一枚の布を
高級品とされている絹を
肌着や裏地、着物や帯や羽織にと
ふんだんに使い、
身に纏うことができたのだと思います。
日本の布の衣では、そういった
「直線裁ちの衣服ならではの特別。」
を味わっていただきたくて、
主に絹の布を使い、
衣服を仕立てています。
その土地の風土や時代背景などによって
糸の作り方、織り方、加工の仕方など
様々な技術が生み出され
同じ絹という素材を使っていても、
その表情は豊かです。
そんな絹織物の個性や魅力を
お届けしたいと思います。