Feature|日 本 の 素 -SHIRO-
永い年月をかけ、その土地の風土や時代背景をも織り込み、
人の手によって育まれてきた日本の織物。
その元となる白い糸や白生地、
さらには美しい絹糸の源となる繭へ想いをよせ、
『日本の素 -SHIRO- 生地』をご紹介します。
《自然の 素 -SHIRO- 色》
野蚕の繭そのものの色をそのまま織り込まれた自然の色の布。
白い繭を作る品種改良された家蚕種と違い、
野趣に富んだ独特の風合いや色合いが魅力です。
>> 紬 -tsumugi- [紬/野蚕 反物]|練色(ねりいろ)
《自然の 素 -SHIRO- 糸》
繭をつくる元になる自然の糊分(セリシン)を
完全に落とさずに仕上げた、ややハリのある生紬の布。
着込んでゆくうちにだんだんとこなれてゆく、
布を育ててゆく愉しみも味わうことのできる布です。
>> 紬 -tsumugi- [座繰り生紬 反物]|生成
《風土の 素 -SHIRO- 織》
世界一薄い絹織物のとして名高い
福島県・川俣町で製織された胴裏地です。
かつては前金制度で取引されていた福島の真綿。
重さで絹織物の価値が計られていた頃に
薄く織り上げる技術を磨き
少ない原料でも価値を感じる織物を作り上げました。
>> 胴裏地 -douraji- [羽二重 反物]|白
《四季の 素 -SHIRO- 夏》
トンボの羽を思わせる、
ハリと透け感が魅力の
涼やかな印象の絹紅梅。
少し太めの糸を格子状に織りこむことによって
布に強度を持たせながらも
ごく細い地糸による繊細さと清涼感も兼ね備えた夏の織物です。
>> 絹紅梅 -kinukobai- [絹 × 苧麻]|生成