日本の布の衣

衣と身体 -art-

「日本の古来より続いている手仕事は、
見えないところまでも美しい。」

それは出来上がったものに限らず、
それらを生み出す過程や思考など
目に見えないものも含め、
常々感じています。

そして、着物もまた然りです。

一枚の布を無駄なく裁つ
機能を兼ねた美しい仕立てと、
潔さのある平面の形。

纏う際にも後ろ手に帯を結ぶ動作や
せまい歩幅の中での日常の立ち居振る舞いが
自然と身体をつくってゆきます。

また、帯は着物がずれ落ちないための
ベルトのような役割ではなく、
本来は身を守るための結界として
発生したものだと云われています。

こうした着物の在り方は、
装うこと以前に
人や布となる元のいのちにまで
目を向けることにより
生まれた形であり
着姿なのだと思いました。

だからこそ性別や年齢を問わず、
時代背景や流行も受け止めて、
千年以上もの永い間、
日本人の身体を包んできたのだと思います。

私自身、七五三の時の晴れ着以来、
着物は縁遠い存在でしたが、
めぐり巡って
いつの間にか着物に魅せられ、
着物を師として、
和裁で衣服を仕立てるようになりました。

永い年月をかけて培われた
知恵や技から学び、
想いを馳せて
現代へ続く衣のカタチを
紡いでゆきたいと思います。

衣を結ぶ

布に聴き衣を生む。
繰りかえし、繰りかえし、
布と人と想いを結ぶ。

布と布を結ぶ「手」

縫い目を表に出さず、
1本の糸から手縫いで仕上げる
和の仕立ては
身体に馴染む着心地と
柔らかな優しい風合いが魅力です。

直線裁ち、和裁仕立ての衣服

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布と人を結ぶ「形」

直線裁ちの平面の衣服ならではの
布と人との程よい間合いは
纏う方の身体や個性を包み込み、
魅力を引き立たせてくれる気がします。

布と身体との程よい隙間から、<br>
									陰影の生まれる直線裁ちの上衣。

布と身体との程よい隙間から、
陰影の生まれる直線裁ちの上衣。

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身体に布を添わせてまとう、紐結びの下衣。

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布と人と衣を結ぶ「姿」

布をいつくしみ、
人を想う心から生まれた
和の仕立てや和の装いを
現代に於いての新たな衣の姿へ
紡いでゆきたいと思います。

きもののように、衣をあつらえる。

きもののように、衣をあつらえる。

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布の色や質感をかさねてまとう衣。

布の色や質感をかさねてまとう衣。

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